日本人はいつから猫背に注目してきたのだろうか?
そう考えたことはありませんか。
よく猫背や姿勢の記事や本を読むと、以下のように書いてあることが多いです。
「日本はもともと農耕民族だから、猫背になっていることが多い・・・」
ホンマでっか?
もしそうなら、「生まれつき遺伝子レベルで猫背が決定している」ということですが。。。
という疑問をもったので、猫背の歴史を追うことにしました。
猫背の歴史
正式な文書はないため不明であるが、人類が認識された時点で猫背は存在していただろう。
ただ、猫背という抽象化された言葉がなかっただけである。
鎌倉~戦国時代
武士は猫背だったのか?
ということですが、少なくとも武士は猫背に関しては言われなかったようです。
理由は2つ。
- 戦場においては鎧や兜を身につけており目立たない
- 基本的に上の人の前では頭を下げることが多かった
鎧や兜も現代とは異なり同じものを量産するのが難しい時代です。
統一感もそれほどなかったでしょう。
そのため、多少猫背になっても目立ちません。
また、当時は殿様に対して頭を下げることが多かったので気になりませんでした。
江戸時代
宮本武蔵や坂本龍馬は猫背だったと言われています。
坂本龍馬については本レビューに一部記載しています。
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坂本龍馬は猫背だった
「坂本龍馬は猫背だった。: 姿勢革命」堀 和夫 キャッチーなタイトルの本ですね。 「昔の人は本当に猫背なのか?」と思い探していたところこの本を見つけたことがきっかけです。 ...
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しかし宮本武蔵に「猫背は悪い姿勢だ」と言った人はいないでしょう。
現代で言うとウサイン・ボルト選手に「猫背は悪い姿勢だ!」というようなものです。
明治~大正時代
本当に猫背はこのころから出てきたのではないか?と言われています。
理由は軍国主義によるものです。
軍隊を保有するようになり統一感を持たせるため、兵士の胸を張らせて緊張を持たせています。
指揮官から見て「統一感がない」とか「話を聞いていない」と思われるのでしょう。
ぼく自身も24時間研修という名の洗脳セミナーに参加したことがあるのですが、猫背というだけで「姿勢をちゃんとしろ!」と怒られた経験があります。
そのセミナーも軍隊と同じように「話を聞いていない」と思われていました。
戦国時代とは異なり、鎧をぬぎすてたので態度が目立つようになったのでしょう。
昭和時代
猫背はこの時には普通に存在しました。
なぜなら、昭和生まれのぼくが猫背と言われてきたからです。
しかしこの時は多様化されておらず、「背中が曲がっている = 猫背」でした。
今のようにストレートネックなどという言葉はなかったですし、お腹を張っている姿が猫背と言われることもなかったでしょう。
平成時代~現代
平成になると、猫背が多様化してきました。
人々の娯楽がテレビ・新聞からだんだんと携帯電話やパソコン・スマホに変わってきた時代でもあります。
東京でも満員電車の中で新聞を広げたり小さくして読む人はほとんどいなくなりました。
その代わり皆さんスマホやタブレットで新聞を読んだりゲームをしたりする人が多くなりました。
特に下を向いて使っている人が多いので、ストレートネックや巻き肩なんていう言葉も最近になって聞かれるようになってきました。
猫背・・・とは言いづらいけど、姿勢が悪いという言葉を表した表現になるのでしょう。
まとめ:明治時代から言われたのではないか
昔から猫背という姿勢はありました。
しかし猫背という抽象化されたことばと、猫背は悪いという文化は明治時代から顕在化してきたのです。
そう考えると、既に100年以上の歴史が存在するんですね。